エイジのナンパ日記

思い出に残したいナンパを日記感覚で書いてます。

クソテストなんてクソ食らえ

 

「タイプじゃないからかな」

 

彼女は目を合わせずに僕にそう言った。

さっきからずっとそうだ。まるで僕の目から必死で逃れるように。

 

 

 

 

 

とある土曜の夜。

エイジは味噌の国にいた。

前日に箱、ストで共に坊主を叩いた。

坊主であったことも勿論悔しいが、それ以上に一緒に箱に入ってくれたクラスタの仲間の足を引っ張り、モチベーションを落とす要因となってしまったことが悔しかった。

結果を出すことが贖罪に直結するとは思わないが、ナンパの傷はナンパで癒すしかない。いつも以上に結果を強く求めようと決意した。

 

 

 

 

途中ホテルで休憩をとりつつ、昼から夜までひたすらストリートを徘徊し続ける。

 

 

 

 

日付が変わり終電がなくなった頃、繁華街に向かってゆっくり歩を進める女性を発見。

おそらく20代前半。色が白く細身でかわいいよりも綺麗が似合う女の子。

 

 

エイジ「こんばんは、おれはナンパしてるんだけどお姉さんは何をしているの?」

 

 

この後友達と合流して女子会をするらしい。

エイジも女子会に混ぜてもらう。

 

 

 

 

友達と合流。

友達の方は程よく日焼けしており健康的な印象を周りに与えるような女の子だ。

2人を仮に白子と黒子にしておく。

2人とも世間的に言えば間違いなくかわいい、美人の部類に入る。

 

 

 

3人で居酒屋に入店。

さあここからどうしようか。

逆3で連れ出した経験なんてまったくない。

 

 

 

 

3人でトークする。

サシでのトークと意識することは特に変わらない。2人に気持ちよく話してもらいそこから得た情報で即への道を探る。

 

 

恋愛トークから下ネタトークへ移行していく過程で、黒子から複数プレイの願望があるという旨の発言が。

黒子の願望を利用しよう。今夜の戦い方が決まった。

黒子を味方につけ白子をその気にさせる。今日は人生初の逆3Pを成功させよう。

 

 

幸い主導権を握っているのは黒子のため、白子の同意も得られる。

 

 

 

居酒屋を退店しタクシーでLHに向かう。

 

 

 

入室。

まずは黒子にギラつく。

しかしその様子を見ていた白子の表情はみるみる硬くなっていく。

 

白子「私トイレ行ってくる」

 

そう言い残したままずっとトイレからでてこない。

心配した黒子が白子のもとへ。

女の子同士での作戦会議。

遠目に見守るエイジ。

 

 

 

黒子「本当にごめん。白子がやっぱり厳しくてできないみたいだから今日は勘弁して。」

 

 

 

正直迷った。

ここで押せば2人とも即れるかもしれない。

しかし、白子の表情は更に硬くなっている。

ここで押せばレイプ魔の烙印を押されてもおかしくない。そう感じてしまった。

 

 

 

タクシーで街に戻り解散。

 

恐らくあの2人ともう会うことはないだろう。

 

 

 

 

 

 

人の少なくなった深夜のストリートを徘徊する。

 

タクシーを1人で待つ女性を発見。

声を掛ける。

 

女性の自宅の近くの店で飲むことになり一緒にタクシーに乗車。

 

 

特徴的な目元をした女性でエイジの好きなタイプだ。爬虫類顔というやつだろうか。

よく言えば菅野美穂に近い雰囲気をしている。

以下美穂とする。

 

 

 

居酒屋に入店し乾杯。

自己開示していく中で多くの共通点が見つかる。

充分にラポールを築くことができた。

しかも幸運なことにエイジの顔が刺さっている。

この日の即を確信する。

 

 

始発が出る30分前に居酒屋を退店。

そのまま始発まで美穂の家でもう一杯飲もうと打診。

しかし断られる。

 

確実に通ると思った打診が通らないことに動揺するエイジ。

 

そこからまったく目を合わせようとしなくなる美穂。

 

キス打診ルーティンを使う。

グダられる。

理由を尋ねると、

 

「タイプじゃないからかな」

彼女は目を合わせずに僕にそう言った。
さっきからずっとそうだ。まるで僕の目から必死で逃れるように。

 

 

これは本質的なグダじゃない。

美穂はクソテストを仕掛けてきている。

本当のグダの理由は「タイプじゃない」ではない。

じゃあ何だ?

 

 

エイジ「おれは凄く楽しかったけど美穂は楽しくなかった?」

美穂「そうじゃないけど」

エイジ「けど?」

 

ずっと美穂の目を見つめ続ける。

美穂は相変わらずこっちを見ない。

 

エイジ「嘘ついてるでしょ」

美穂「え?」

エイジ「もういいよ。タイプじゃないなんて言われたらもう次どんな顔して会えばいいかわからないし。今日は帰るね」

美穂「……。実は秘密があるんだ。」

 

 

なぜその秘密を美穂が話してくれる気になったかは僕にはわからないが、本質的なグダはその秘密からくるものだった。

 

秘密に囚われる美穂のマイナスな思考をプラスに導くにはどうしたらいいか必死で考える。

二面性の指摘。美穂自身がマイナスと捉えているポイントを裏を返して褒め続ける。

 

 

エイジ「やっぱりもう少し一緒に話したい。」

 

 

打診が通る。

美穂の家へ。

 

そこからは一切グダが発生せずに即。

 

 

 

 

 

 

夏の終わりを感じさせる心地良い早朝の風を感じながら駅まで2人で歩く。

もう全てを「夏のせい」の一言で片付けられない季節になってしまった。

 

 

「またね」と美穂が言う。

普段なら2度と会うことはないとわかっていながらも「またね」と返す。

でもこの時、僕は嘘の「またね」を飲み込んでしまった。

珍しくこの日は「じゃあね」と言って別れた。

 

 

 

女の子は嘘つきだ。 

 ナンパを続けるほど女の子の二面性が見えてくる。いつかそんな嘘ですらかわいいと思えるほど器の大きな男に僕はなれるだろうか。

 

 

おわり