ストナン神話体系〜ストってない夜が気に入らない〜

ナンパ師エイジのストリートナンパ紀行文。

1人の人間として

「もう一度出逢うなら今度はどんな2人になろうか?

 

   その時はどんな話題で笑って?

 

   どんなことで泣こうか?」

ー[Alexandros]「 Leaving  Grapefruits」より

f:id:dyingbreed0326403:20170913022519j:image

 

 

 

 

 

ナンパ師は憧れだった。

平和だけどどこか退屈な日常を変える手段として非常に魅力的だった。

ナンパ師を名乗り始め、自分は他人とは違う特別な存在になれた気がした。

 

 

 

 

 

9月某日

 

金土日と3日連続でウィングである錦戸と街に出るも坊主。

もはや即以前に連れ出しの仕方すらわからない長いトンネルに入っていた。

 

 

『確実にスキルは以前より磨かれているはず。

   頼れる相棒もいる。

   なのになぜ即れない?』

 

 

『今日こそは即を生み出そう。』

強い決意を胸に出撃。

 

 

錦戸が遅れているためしばらく1人で声掛けをする。

 

その時、目の前を色白スレンダー美女がイヤホンで音楽を聴きながら通り過ぎる。

 

 

すぐに追いかけて声掛け。

 

 

 

エイジ「こんばんは。般若心経でも聴いてるの?それとも南無妙法蓮華経?」

 

 

隣街からやってきた19歳の彼女。

女優の夏菜によく似たスレンダー美女。(以下夏菜

脚が長く、今まで見たどの女性よりも二重が美しい。

一瞬で心を奪われた。

 

 

これから買い物に行くという彼女から粘って番ゲ。

2日ぶりのまともな番ゲに少し自信を取り戻す。

 

 

その後錦戸と合流し一緒に食事をとる。

 

ラーメンを食べつつも先程の番ゲが頭を離れない。

正直良いイメージを頭の中で描けていた。

錦戸と合流するため放流はしたが、即日ブーメランのイメージが固まる。

 

ラーメン屋を退店後、相棒に断りを入れ彼女のもとへ向かう。

 

 

 

駅で彼女と合流。

白い肌と長く美しい脚。一瞬で彼女を見つけることができる。それだけ人目を惹く女の子。

やっぱり綺麗だ。

そんな女性とこれから一夜を共にする。

ドキドキしてきたよ。

 

 

 

これから電車で帰ると言う彼女。

でも確実に僕との未来を思い描けている。

カフェに連れ出し。

 

 

彼女の仕事の話から恋愛、彼氏、家族の話などを聞く。

すごく他人に対する思いやりが強く、その優しさ故に押しに弱い。そんな彼女の人柄が見えてくる。

 

 

 

 カフェが閉店時間だったのでカラオケに移動。

カラオケで即るのは正直気が進まない。

『ここでは楽しくトークしよう。

   そしてホテルに一緒に行こう。

   すごく貞操観念のしっかりしてる女の子だけど大丈夫。たぶん僕の彼女への気持ちの方が彼女の貞操観念を上回っているから。』

 

意味がわからない。理論も何もあったもんじゃない。でも楽しいからいいよ。そういうスタンス。

 

 

 

一緒にカラオケまで歩く。

 

 

正面からよく知った顔がやってくる。

錦戸が女の子を連れて僕たちが入ろうとしているカラオケから出てきた。

すれ違い様にアイコンタクトを送る。

 

 

LINEを確認すると相棒からの即報告と激励メッセージが。

カラオケ弾丸即おめでとう。

こっちも気合が入る。

 

 

 

カラオケでは自己開示を多めにトークする。

何故声を掛けたのか。どれだけあなたに対して魅力を感じているか。

主導権なんて特に意識していなかった。

ただただ思うがままに会話を楽しむ。

「ちょっと面白いお兄さん」。彼女の僕に対するイメージはこんなものだろう。

 

 

 

終電ギリギリの時間になりカラオケを出る。

 

 

エイジ「今から急げば終電間に合うよ」

 

 

敢えて終電があることを伝えてみる。

 

 

夏菜「でも今からダッシュで駅まで行くのはちょっと…」

 

 

ホテルへの連れ出しが決まった。

 

 

 

部屋に入ると無邪気に部屋中を探索している。

 

 

 

シャワーを浴びてベッドに入る。

僕に対して背を向けて寝る彼女。

 

 

エイジ「1個だけ聞いていい?目を見て答えて欲しいんだけど。」

 

 

こっちを向き世界一美しい二重で僕の目を見つめる彼女。

 

 

エイジ「チューしよ?」

 

 

夏菜「ダメー笑」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キスするのに2時間以上かかった。

 

こんなに本気かつ長時間女性を口説き続けたことは未だかつてない。

 

 

夏菜「チューしたら絶対その先もするでしょ?私も処女じゃないからそれくらいわかるよ」

 

 

エイジ「じゃあ続きもしよう。今日だけおれの彼女になってよ」

 

 

 

キスより先に進めない。

彼女の意志は本当に固かった。

 

 

エイジ「そんなに拒まれたらもう1人でするしかないじゃん笑」

 

 

夏菜「1人でしてよ、見ててあげるから笑」

 

 

押しに弱いと思っていた彼女は芯の強さも持ち合わせた素敵な女性だった。

そしてドSだった。

具体的には書かないけど素敵な時間だった。

確実に新しい扉を開いたと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前10時。

1回抜かれはしたが、ここまで一睡もせずにセックスを打診し続けた。

「ほこたて対決」はなかなか決着がつかず。

 

 

エイジ「ここまでしてもセックスはしないのね笑」

 

 

夏菜「好きじゃない人としちゃったら嫌いになっちゃうから」

 

 

エイジ「男としてこのままじゃ終われないよ。今日このまま帰ったら絶対に後悔する。だからしよ?」

 

 

 

彼女は凄く困った顔をして僕の顔を黙って見つめる。

その時の僕はかなりしつこかったと思う。

 

『今日即れなかったら4日連続坊主。

   相棒はちゃんと今日ゴールを決めた。

   何よりナンパ師として数を追いたい。』

 

全部自分勝手な理由。

自己中心的でつまらないサイテー野郎。

 

ふとそのことに気付いた瞬間涙が溢れそうになりうつむいた。

 

 

ナンパ師は憧れだった。
平和だけどどこか退屈な日常を変える手段として非常に魅力的だった。
ナンパ師を名乗り始め、自分は他人とは違う特別な存在になれた気がした。

 

 

とんだ思い上がりだ。

今僕の目の前の女の子はどんな顔をしている?

 

 

そんな僕の様子に気付いた彼女が口を開く。

 

 

夏菜「私がいるとイライラしちゃうよね。ごめんね。先に帰るね。ありがとうございました」

 

 

『違うんだ。

   君にイラついてるんじゃなくて自己嫌悪なんだ。』

 

言葉が出てこない。 

 

 

彼女は行ってしまった。

本当に素敵な女性だった。

僕がナンパ師じゃなかったら、無理に即を求めなかったら彼女を繋ぎとめていられただろうか?

いや、そもそもナンパ師じゃなければ僕たちの人生が交わることはなかっただろう。

 

それでも考えずにはいられない「たられば」の話。

 

 

 

「もう一度出逢うなら今度はどんな2人になろうか?

   その時はどんな話題で笑って?

   どんなことで泣こうか?」

 

 

ホテルを出て駅まで歩きながら[Alexandros]の「Leaving Grapefruits」を聴く。

何度も聴いたこの曲だけど今までで一番心に深く深く刺さった。

たぶんこの日のことは一生忘れないだろう。

 

 

 

 

いや、所詮サイテー野郎の僕はいつか忘れるのかな?

 

 

 

おわり