成就した恋ほど語るに値しないものはない
〜森見登美彦「四畳半神話体系」より〜
昨年の話。
10月某日
ハロウィンの少し前のある日、彼女に出会った。
お気に入りのゾーンでの声掛け。
ニコニコしながら歩く女性とすれ違う。
第一印象はそれほど強くはなかった。
声を掛ける対象には確実に入っていたため一瞬の迷いの後勇気を出して彼女の背中を追いかけて歩み出す。
簡単にオープンした。
この日は相方とのコンビストの予定だった。しかし仕事のため彼は来られなくなった。
全て正直に自己開示する。
友達との約束が流れたこと。ニコニコ笑うかわいい女の子がいたから思わず声を掛けてしまったこと。
これがナンパであること。
最近中途半端な嘘をつくことを控えるようになった。半端な嘘は心に引っかかり、女の子にはそんな僕の心のシコリを見透かされている気がするから。
幸い彼女も暇を持て余していたらしく乾杯の打診が通る。
いつもの個室の店に連れ出そうと歩いていると運悪くちょっとした因縁のあるキャッチに捕まり絡まれる。
ここで揉めても仕様がない。今日は僕が折れよう。
案内された店でいつも通りのトークをする。
こちらの秘密を打ち明け信頼してもらう。
そして相手にも同様の秘密を打ち明けてもらう。
会話はこちらがリードするけど関係性は飽くまでも対等だと感じられるように。
そんな感じの意識で。
(ほんとは主導権を握った方がいいんだろうけど僕はそれが苦手なので…)
居酒屋を退店しホテル打診。
ノーグダでホテルへ。
行為が終わったあと彼女からたくさんの未来を感じさせるような話をされた。
でも僕は2人の関係はこれっきりにしようと思っていたため適当に彼女の話をかわした。
連絡先だけ交換して彼女とはさようなら。
もう会うことはないだろうと思っていた。
翌日
なんとなく彼女のLINEのタイムラインを見た。
とんでもなく写真がかわいい…
あれ?こんなかわいかったっけ?
いや、騙されるな。写真詐欺だ。
でももう一度会ってみたくなっている自分がそこにはいた。
何回か彼女と会ううちにどんどん彼女の人間性に惹かれていった。
出会った日から2週間。
彼女と付き合うことにした。
そこからナンパからは遠ざかった。
彼女と付き合ううちに心底彼女に惚れていく自分がいた。
自然とナンパはしなくなった。
あれから半年以上がたちました。
活動拠点も東京に移りました。
僕はまだクラスタです。
1度は本気で引退を考え半年近くナンパからも遠ざかっていたため、なんとなくクラスタに戻りづらくツイートもまったくしていませんでした。
最近はそんなくだらない感情も薄れてきたのでちょいちょいツイートしてます。
ナンパへの想いも、彼女への想いもまだ捨て切れていません。
これからどうしようかは模索中です。
とりあえずもう少しナンパします。
fin.